ある日の事。

いつも通りラジオ体操をし、トランペットで呼吸器を鍛え、ギターで腕の筋肉や指先の神経を鍛え、栄養補給のリンゴを切り……と半ばアスリートのような管理管理管理ィｯｯの生活をしていると、規則正しい生活で逆にストレスが溜まったのか唐突に甘い飲み物が飲みたくなった。母が常備している「AGF ブレンディ スティック」が目に留まったのでひとつ失敬した。

デザイン業から来る職業病もあり、スティックのデザインをまじまじと眺める。「きみってやさしいよね」と、ほっこりするデザインのフォントで、あったかテイストなイラストの鳥がニコリと微笑みかけてくれている。

母にスティックの話題を持ちかけると、母は目をキラキラさせてスティックの事を語ってくれた。母が言うには、味を楽しむ他にも、自分のメンタルが落ち込んでいないかどうかを確認する手段として用いているとの事なのだ。

僕は「このプリントされた労いの言葉は自分が落ち込んでいる時の自己ケアに使うもの」だとばかり考えていたので、その発想はなかった。自分のメンタルがヤバいかどうかなんて、元気と思っている時には気を抜くと全然意識が向かず知らないうちに病んでいるものだから、その使い方はとても賢いなと思った。

何気ない労いの一言がずしっと心に刺さる時は、休憩を必要としている時。新たなハックを得た。

母はほろ苦カフェオレ派なので僕が今回飲んだミルクティーほどではないけれど、基本が甘いフレーバーだからセロトニンも出るし、糖質だから脳の疲労にも物理的に働きかけるうえ、疲れてるかどうかを自覚するための指針にもなる。すごいぞAGF。母に素敵なツールをありがとう。

因みに僕はこのイベントが発生した時、「この鳥に優しくした覚えがない。初対面なのにこの鳥は一体僕の何を知っているというのだろう」と疑問に思い、なぜ労いの言葉が書いてあるのかを考察して、普段あまり意識的に労ってもらえない層がターゲットなのかな～とか思ってフフッと優しい気持ちになり、そんな気持ちを共有したくて母に話題を持ちかけたので、特に精神的に疲れてはいないようだった。よかった。